最終更新 2007年7月30日 
 名取トンネル
                                 


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名 取 ト ン ネ ル

 私は佐田岬の先端を目指すべく八幡浜から伊方町を走行していた(車に同乗していた。笑)。国道197号線、高知県高知市から佐田岬を通り大分県大分市へと至る国道である。もうお分かりであるだろうが、海上国道なのだ。四国内区間は丁度旧三崎町の国道九四フェリーの船着場までである。かつては「いくな(197)酷道」と揶揄されるほどの険道であったのだが、近年の大幅な路線改良により格段に道がよくなった。佐田岬の尾根を橋とトンネルを連続させ通過している。今ではメロディラインと呼ばれる快走路となり、地元の足として、また観光の足として機能している。今回紹介する「名取トンネル」もこの メロディラインを構成するトンネルの一つだ。


 その日、国道に設置された電子案内板には「7月25日 名取トンネル開通」という案内をよく目にした。私が訪れた日の丁度四日前のことである。当初は何ら疑問を思わなかったこのトンネルなのだが、通過してみると強烈な違和感を感じたのだ・・・・。


 帰り際に探索を試みたのは言うまでもない。上の写真は噂の完成したばかりの名取トンネルである。八幡浜側の様子であるが、出来てまもなく、いかにもな新トンネルである。これのどこに違和感を感じたのだと疑問を持たれることだろう。答えは反対側にある。


 先ほどの写真と見比べて、明らかな時代の違いを感じるのではないだろうか。とてもじゃないが、四日前に開通したばっかり♪なんて様子ではない。重厚な坑口からは少なくとも20年くらいの貫禄を感じることができる。もしかして・・・発見してしまったかもしれない。四国にも存在していたのだ・・・・・・


 さきほどの八幡浜側の様子である。カメラを左に向けると真っ直ぐ旧道が伸びていた。その先には橋、そして海。新道と旧道の間には広々とした土地がありいくつかの機械が設置されていた。早速進んでみよう。


 ここにきてようやく車の進入を防ぐ簡易的なバリケードが現れた。大きく右に弧を描く旧道。なぜこのような高規格の道が新道にとって変わられてしまったのか。


 ここからの景色は大変良好である。丁度宇和海を見渡すことができる。今日は霧がかって若干視界不良ではあるが、この絶景は私にも伝わった。


 海も綺麗。


 さてさてもう少し足を進めると、、ついに見えてきたではないか!?と、トンネル???っぽいよねぇ;;


 見てしまった・・・・・。私は見てしまった・・・。名取トンネル、旧坑口。

 これは一体どうゆうことなのか・・・・・。答えは一つしかない。洞内分岐が存在したのだ!!


 ここで話を整理しよう。まずは現況なのだが、今は上の図のような状態になっている。旧名取トンネルの途中に新名取トンネルが接続してるのだ。これは四国の甲子(山行が様サイト内にリンクしています)といえようか。

 さて、では何故このように至ったのか、その経緯を簡単にしよう。現地調査が先行し、文献調査があとになってしまったため、探索中には理由を知ることはできなかったのだが、ネットで「名取トンネル」と検索すると一発で答えがでてくる。答えを述べると、地すべりが発生してトンネル内コンクリートに復旧不能のひずみが生じたのだ。このままではトンネル全体が崩壊してしまうおそれがあるため、直ちにこのトンネルは通行禁止となり、旧旧道が代替道路として使用された。この道は九州四国の連絡道としての役割を果たしており、また旧三崎町へのアクセス路でもあるために、早急に工事が行われ、新名取トンネルはおよそ二年で完成に至った。


 廃された八幡浜側旧坑口はまだまだ白いコンクリートにより完全に蓋をされていた・・・・。


 完結

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