最終更新 2006年6月21日 
 法皇隧道
                                 


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法皇隧道



 国道、いや酷道の方が正しいかもしれない319号線。国道319号線は香川県善通寺市から四国中央市(旧伊予三島市)を結ぶ国道である。愛媛から徳島まではかなりの酷道と化してている。その中でも特徴的なのが今回紹介する法皇隧道。現在、看板等には法皇トンネルとして示されているがとてもじゃないがトンネルとはいえない。隧道なのだ。今回はなんとも頼もしい存在であるマフラー巻き氏に同行させてもらった。


山にへばりつく様につくられた細くカーブの続く法皇山脈を越える峠道を上り、その最終到達地点がこの隧道の入り口なのだ。見た感じ狭いのがおわかり頂けるだろう。この道路、旧伊予西条市市街地から旧伊予西条市別子山地域を結ぶ連絡道として結構な交通量があるのにこの有様だ。


地図や看板にいくら法皇トンネルと記されようと、ここは「法皇隧道」であることを伝えている銘板。鄙びたコンクリートがこの隧道の歩みを物語っている。


なんなんでしょか、このスペルは。

・延長・・・・1630m
・竣工・・・・昭和35年6月
・施工者・・・鉄道工業株式会社、井原建設工業株式会社


まず気になるのは延長。あんな狭い断面ながらなんと1630mもの長さがあるのだ。それでもって昭和は35年の竣工。これはこの距離に対してでは四国最古である。
もう一つ注目して欲しいのが施工者。鉄道工業株式会社がこの隧道の施工者。建設主である。要は昭和も戦後まもない頃、このような1600mもの隧道が必要となる山脈を貫くことができるのは鉄道を掘ってきたものしかいないだろ、ということらしい。そんなもんでやけに狭いのだろうか(笑。


いきなり反対側に飛ぶが別子山側はこんな感じ。車が停車しているのは対向車待ちなのだ。隧道内にもいくつか待避所が設けられていて、ここを通過するには譲り合いが重要となる。
警戒色が塗られた高さ制限を示す柵や、隧道内情報を伝える電子情報板も設置されている。ちなみに市街地側の柵(一つ目)はなんと折れていて、どうやら車が衝突したらしい。話によると事故車はクレーン車で死者もでたそうな・・・


別子山側隧道入り口付近には写真のような石碑がある。いろいろと隧道完成の経緯が載っているので、是非興味のある方は読んでみてはどうだろうか。


もう一つ特筆すべきことが景色のよさ。別子山側の隧道入り口横には滝があるのだ。大きな岩肌を流れる滝は水が滝という。ひなびたバス停なんかと合わせていい雰囲気を醸し出してる。一応、このバス停には一日何本かバスもきていて地域の足となっている、、はずだ。
ちなみにこの国道319号線法皇隧道〜旧伊予西条市街地にかけての車窓からの景色がまたたまらないものである。製紙工場もあることから夜景も綺麗であろう。ただ、見とれて事故に至らないように注意してほしい。

この国道319号線、現在大規模な改良工事がすすんでいて大型な橋脚がかけられたりと、今までと比べ物にならないほど高規格な道路になりつつある。法皇隧道も新道に切り替わる際には廃隧道になっているかもしれない。





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